イノシシ(猪)・ブタ(豚)の参考資料
ブタ(豚)は、イノシシ(猪)を家畜化したものです。ブタは、約11,000年前に中国で家畜化されたと推定されています。イノシシは、国内では縄文時代の遺跡から多く出土しており、シカとイノシシはほぼ同率で出土していて縄文時代遺跡出土獣骨の二大獣骨になります。また、縄文時代にはイノシシを家畜化したものが一部存在していたことが指摘されています。
ブタは、弥生時代になると渡来してきたものが確認されています。縄文時代ではイノシシとシカがほぼ同率であるのに、 弥生時代になると、シカよりもイノシシの出土事例が多くなることが知られています。
◆本:イノシシ(猪)・ブタ(豚)
●西本(2010)
「イノシシ」[pp.74-77]
「ブタ」[pp.164-165]
「縄文時代のブタ飼育」[pp.166-168]
「弥生ブタ」[pp.169-173]
西本豊弘・新美倫子編
吉川弘文館
●藤田・宮路・松井(2008)
藤田正勝・宮路淳子・松井 章
2008年
「第7章.大型野生哺乳類」
京都大学学術出版会
pp.177-211
*イノシシ・ニホンジカ・カモシカ・ツキノワグマの骨格図が掲載されている。
●阿部(2007)
阿部 永
2007年
「図136.イノシシ」[p.138]
「図137.イノシシ」[p.139]
「イノシシ科」[p.265]
北海道大学出版会
*2000年に出版され、2007年に増補版が出版。
●江口(2003)
江口保暢
2003年
「第6頭.ブタ:豚は肉と脂の塊」
築地書館
pp.157-177
*「第6章」ではなく、「第6頭」と書かれているところに著者の遊び心がうかがえます。
●西本(1999)
西本豊弘
1999年
「第3章.哺乳類の骨の分類」[pp.21-36](シカとイノシシ)
「第9章.家畜その1:イヌ・ブタ・ニワトリ」[pp.159-167]
西本豊弘・松井 章編
同成社
◆論文:イノシシ(猪)・ブタ(豚)
●石丸(2007)
石丸恵利子
2007年
「山間地域における縄文時代の狩猟と遺跡の利用形態:帝釈峡遺跡群の洞窟・岩陰遺跡の検討」
第24号
pp.1-23
*イノシシとニホンジカの時期別・遺跡別部位出現頻度が掲載されている。
●西本(2002)
西本豊弘
2002年
「哺乳動物骨格図集(1)」
第19号
pp.93-119
*ムササビ・ノウサギ・タヌキ・アナグマ・カワウソ・キツネ・イヌ・サル・イノシシ・シカの骨格図が掲載されている。
●白木・西本(1994)
白木紀子・西本豊弘
1994年
「縄文時代のシカ・イノシシの大きさの変異」
第2号
pp.39-52
*上腕骨(遠位部)・橈骨(近位部)・脛骨(遠位部)の計測値が掲載されている。
●本郷(1991)
本郷一美
1991年
「哺乳類遺存体に残された解体痕の研究:鳥浜貝塚85区出土の獣骨をとおして」
第29集
国立歴史民俗博物館
pp.149-195
*シカとイノシシの解体痕の研究。