法医人類学:和書

 法医人類学は、英語では『Forensic Anthropology』と表記されます。法医人類学では、人骨や歯から、「性別」・「死亡年齢」・「民族」・「身長」を推定することが基本です。

 日本国内では、歯型やDNA分析によりかなりの確率で身元が判明することから、人骨や歯から推定する方法はあまり発達しませんでした。自然人類学の分野では、遺跡から出土人骨の性別・死亡年齢・身長等を推定する必要から研究が行われています。しかし、法医人類学を専門とする人類学者の数は非常に少ないのが現状です。

 アメリカは広大であるため、発見された時には白骨化していることが多く、人骨や歯から推定する方法が発達しました。また、その鑑定は、ほとんどの場合、医学者ではなく人類学者が行っています。

『犯罪科学捜査』
『犯罪科学捜査』

●橋本(2000)

 

橋本正次

2000年

『犯罪科学捜査』

宝島社

 

第1章.死者はこうして分かり、犯人はこうして捕まえる

第2章.日航機墜落事故:520人の遺体が教えてくれたこと

第3章.法人類学概論:なぜ骨から読み取れるのか

 

*著者の橋本正次先生は、1985年の日航機墜落事故で遺体鑑定をされた法医人類学者です。詳細は、リンクさせている私のブログ「人類学のすすめ」をご覧下さい。

 

 

『骨と語る』
『骨と語る』

●メイプルズ(1995)

 

ウィリアム・メイプルズ

1995年

『骨と語る:法人類学者の捜査記録』

上野正彦監修・解説

小菅正夫訳

徳間書店

 

*アメリカの著名な法医人類学者、ウィリアム・メイプルズ(William MAPLES)[1937-1997]さんがたずさわった、法医人類学の事例が紹介されています。詳細は、リンクさせてある私のブログ「人類学のすすめ」をご覧下さい。 

『骨は語る』
『骨は語る』

●シュワルツ(1995)

 

ジェフリー・シュワルツ

1995年

『骨は語る』

渡辺 毅訳

河出書房新社

 

第1部.歴史時代と現代の骨

第2部.進化の今昔

 

*ピッツバーグ大学の自然人類学者、シュワルツさんは、古人類学を専攻していますが法医人類学者として鑑定にあたっています。

『白骨は語る』
『白骨は語る』

●ジョイス&ストーバー(1994)

 

クリストファー・ジョイス&エリック・ストーバー

1994年

『白骨は語る』

小泉摩耶訳

NTT出版

 

*本書は、アメリカの著名な法医人類学者、クライド・スノーさんがたずさわった、法医人類学の事例が紹介されています。詳細は、リンクさせてある私のブログ「人類学のすすめ」をご覧下さい。

『白骨死体の鑑定』
『白骨死体の鑑定』

●瀬田・吉野(1990)

 

瀬田季茂・吉野峰生

1990年

『白骨死体の鑑定』

令文社

 

第Ⅰ章.人体骨格

第Ⅱ章.白骨死体の鑑定

第Ⅲ章.白骨死体の個人識別

第Ⅳ章.白骨死体鑑定の実例

 

*本書は、人骨から様々な情報を読み解く方法が解説されている、専門書です。詳細は、リンクさせてある私のブログ「人類学のすすめ」をご覧下さい。